できていますか?顧客との関係を育むための基本

FROM:ダン・ケネディ

前回は、顧客関係に重要な影響を与える、第一印象についてお話ししました。

では、最初のコンタクト後に、引き続き顧客として維持し続けるためにはどうしたらよいのでしょうか。

今回は、顧客との関係を育んでいくにはどうしたらよいかについて注目していきます。

次のような場合、どのように思われますか?

修理を依頼した車のディーラーのサービス・マネージャーから、修理の1週間後に「その後、調子はどうですか?」

というフォローアップの電話をもらったとしたら?

治療を受けた医師から、その日の晩に電話をもらったとしたら?

食事をしたレストランから、コメントや提案を求めるアンケートをメールで受け取ったとしたら?

こうしたフォローアップは、トラブルを引き起こすだけだ、という経営者もいますが、それには同意しかねます。

これはビジネスにおいて、親しみやカスタマーロイヤリティ、満足、そしてリピートビジネスを追求するものだからです。

もしフォローアップによって、不満足な点が現れたとしたら、それは何かを変えなければならないということです。

見つけようが見つけまいが、不満足な状態がそこに存在することに変わりはないわけですから。



強力でお金のかからないマーケティング戦略

衣料品店で、新しいスーツを購入後、数日してお礼状を受け取ったとしたらどうしますか?

保険の代理店から、バースデーカードを受け取ったとしたら?

ホテルから、無料の食事券を、感謝のしるしとして受け取ったとしたら?

旅行代理店から、ギフトとしてあなたの名前入りの旅行鞄用ネームタグを受け取ったとしたら?

顧客に対するお礼や感謝の気持ちは、強力でお金のかからないマーケティング戦略になります。

総合的なフォローアップやフォロースルーを行うと、あなたのビジネス活動において不十分な点が

さらされることになりますが、これらの発見を改善のための原動力として用いれば、それもよしということになるでしょう。

もちろん、どんなビジネスでも、どれだけうまく管理されていようと、不満を持った顧客、

さらには怒った顧客に対処しなければならないという状況も、往々にして生まれます。

顧客が自分の不満を正当化している場合もあれば、そうでない場合もあり、不満を抱えた顧客の扱いは、

ビジネスに多大な影響を与えかねません。

そこで、不満を抱えた顧客対応をする際に考慮すべきテクニックについても、お話ししたいと思います。



不満を訴える顧客対応をする際の5つのステップとは?

アメリカン・マネジメント協会の消費者行動についての研究によれば、

満足した平均的な顧客は自身の経験を3人に伝えますが、不満を感じた平均的な顧客は11人に不満を漏らすそうです。

否定的な口コミ広告に耐えられるビジネスは、ほとんどありません。

私の友人であるジェリー・ウィルソンは、不満を訴える顧客に対処するための5つのステップを持っています。

■ステップ1.
顧客が憤慨しているという事実を把握する。

例)ご立腹のご様子をお見受けします。私どもに対してお怒りのご様子と察し致しました。

■ステップ2.
肯定的な安心させるメッセージを用意する。

例)お客様の不都合については、解決するつもりであることをご理解いただきたいと思います。

■ステップ3.
遺憾に思う、あるいは嬉しいと思っているというメッセージを伝える。

例)問題が生じてしまったことは、申し訳ありません。ただ、お声をかけていただいて、うれしいです。

■ステップ4.
魔法の質問をする。「どのようになればハッピーな状態になると思いますか?」

例)スミス様、この問題を解決するにあたって、どのようになればハッピーな状態になると思いますか?

ちなみに、不満を抱えた顧客と和解するために要求される条件は、あなたの自由裁量で提供できる範囲内に収まる場合がほとんどです。

■ステップ5.
解決させる。

例)スミス様、このようなご迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ございません。
ご要望いただいたことをそのまま実行させていただきます。
  大切なお客様として、スミス様とは今後ともぜひおつきあいさせて頂きたいと思っております。

あなたのビジネスでは、このような顧客にどのように対処していますか?



意外と知られていない顧客関係に関するアイデア


顧客との関係について、もうひとつアイデアをお話ししましょう。

顧客関係に関して、知っていると役に立つ意外と知られていないアイデアは、この興味深いマーケティングの原則です。

「人は持っていないものを求める」

このように考えてみてください。

出張続きで落ち着く暇もなく、年間260日外食づくめの独身の営業マンは、家庭料理というものを恋しく思うに違いありません。

一方、長い結婚生活の後、最近離婚したばかりで、過去20年にわたり、年間300日家庭で食事をとっていた男性は、

外食したくてたまらないはずです。

このアイデアをどのようにあなたのビジネスに活用するのかをよく考えてみてください。

あなたのビジネスでは、顧客に提供するものとして何が欠けていますか? 

ほとんどのビジネスは、新規顧客の獲得のために高い広告費を費やし激しい攻防を繰り返しています。

しかし、バケツに新規顧客を注ぎ込むと同時に、底の方から同じような速度で既存客を失っているのです。

あなたは、昔ながらの方法で、もっと効果的に、もっと安価に競うことができるのです。

その方法とは、サービスです。

今日は、このことについて、考えてみてはいかがでしょうか。

ダン・ケネディ

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