難しい苦情に対応するための5つのガイドライン PART1

FROM:ダン・ケネディ

前回のメールでは、カスタマー・サービス・ディプロマット(外交官)として成功するには、正しい意見であっても通用しない状況、人々と対応しなければならないことを話しました。

今回は、このような難しい人々を相手にする場合に従うべきステップについて話しましょう。(難しい苦情に対応するための5つのステップの内の最初の2つです。)



#1:決して顧客と喧嘩しないこと。

こんな古い諺があります。「お客と喧嘩しても勝ち目はない。」お客には、今後永遠に他の店で買い物するという、究極の最後の台詞があるのだから。

さらにお客は、たとえそのクレームが理屈に合わないものだとしても、消費者相談センターや地元新聞社やテレビ局と提携した団体、さらには検事当局に訴えることもできるのです。それがたとえ根拠の無いクレームであっても、その対応には時間とお金がかかり、あなたの会社の体面を傷つけます。

そのようなコントロールできない状況に関わることは、あなたにとって、何の得にもなりません。

顧客と喧嘩をすれば、必ずと言っていいほど、顧客の怒りは大きくなってしまいます。喧嘩腰で議論しても、お互いの敵意がエスカレートするだけです。そして、そのように憎しみをエスカレートさせたら、結局、あなたが損をすることになるのです。

子供を相手に、大声で怒鳴っているお母さんを見たことがあるでしょうか? 子供を相手に、大声で怒鳴ってしまったら、すでに母親の負けです。子供のレベルまで、自分を引き下げてしまったのですから。

権威という優位性、成熟という優位性、母親としての役割の持つ優位性、さらには、沈着な態度という究極の優位性を全てかなぐり捨ててしまっているのです。

顧客を感情的な議論に追い込んではいけません。あなたには役割の優位性があり、また、沈着な態度という優位性も持てるのですから。



#2:正しいことよりも、成功することの方がずっと重要です。

何よりも、望ましい結果を引き出すことを最優先しなければなりません。特に、プライドとか自尊心などといったものに、かまうべきではありません。

苦情への対応における望ましい結果とは、顧客の怒りをしずめ、問題を解決し、その顧客を失わないことです。

顧客に、馬鹿げた苦情を言って悪かったと思わせても、このような望ましい結果には、ちっともつながりません。顧客より知識が豊富なことをひけらかしても、このような望ましい結果は得られないのです。

苦情への対応においては、「ちゃんと教えてやった」かどうかで、成功したかどうかを判断するのではなく、このような望ましい結果が得られたかどうかで、成功かどうかを判断する必要があるのです。

ガイドライン#1、#2について、ちょっとしたヒントを教えましょう。


効果的な台詞はこれです。「お客様の苦情の内容は良く分かりました。異議を唱えることなく、できるだけ迅速にこの問題を解決できるよう、精一杯、お手伝いをさせていただきます。」

注目して欲しいのは、お客の苦情に「賛成です」とは言っていないことです。単に、「良く分かった」と言っているのです。

喧嘩をするには2人の人間が必要です。こちらが相手にしなければ、お客もいつまでも怒り続けるわけにはいきません。怒鳴ったり、文句を言ったりするうちに、しだいに怒りが収まっていくのです。

多くの場合、お客は実際の問題に対して怒っているというよりも、苦情を言うことで喧嘩をしなければならないと取り越し苦労をして、怒りを増幅させているのです。

あなたが、お客が予想していたような抵抗を示さないことで、お客の怒りは消え去ってしまうはずです。

ダン・ケネディ


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