FROM:ダン・ケネディ
さて、今回は『制限』についていくつか思うことをお話しましょう。
アーノルド・シュワルツネッガーは、「気持ちが限界を作り出す。気持ちが前に出ている限り、あなたは何かを成し遂げられる。」と言いました。
彼は身一つでアメリカへやって来て、ボディービルディング業界で大成功を収めました。また、専門家達がこぞって「不利だ」と言っていた独特の訛りを喋るにも関わらず、映画俳優としても大成功しました。しかも彼は、カリフォルニア州知事にまで上りつめました!
彼は今やとんでもなくリッチです。ショッピングモールやオフィスビルといった多くの不動産も所有しています。
アーノルド・シュワルツネッガーが、ナポレオン・ヒルの本を読んでいたかどうかは分かりません。しかし彼の考えは、ナポレオン・ヒルの「人が強く信じたものは、達成することができる」という考え方を映し出しています。
実際の限界と自身が課した限界
人工頭脳学では、実際の限界と、自身が課した限界の間には大きな差があると言われています。ほとんどの人が、実際の限界に挑戦する段階まで到達しません。自身が課した限界の中で止まっています。
ビジネスにおいては、実際の状況と「こうなりたい」という理想的な状況との間にある隔たりを、常に把握すべきです。
そして、なぜ隔たりが存在し、それはどれくらい経てば無くなるのか考えるべきです。
また、原因としっかり向き合うことで、それが本当の限界なのか、それとも単に自らが加えていた制限だったのかを自身に問うべきです。
私のクライアントに、1ヶ月に2、3しか新規アウトレットショップをオープンさせないフランチャイズオーナーがいました。
1ヶ月に20は新規店舗をオープンさせるよう言ったところ、結果、週末の休みもないような状態になりました。そして彼は、「不可能」と言っていた状態から、活発にビジネスを展開し、前進し続けるようになりました。
別のクライアントは、自分のビジネスには地理的制限があると思っていました。しかし、彼は今や、地元の顧客だけではなく、世界中に顧客を持つようになりました。
多くの人は、自分の価値に勝手な制限をかけています。よくあることなのですが、限界とは、とても狭く限定された質問によって設けられてしまいます。
例えば、選挙戦略担当者達は、「結果が読めない揺れ動く8つのエリアで、どのように小さな勝利を収めようか?」などと言うのです。
先日電話で、私は一人の戦略担当者にこう尋ねました。「どうやって地すべり的勝利を収めようか?と考える人は誰もいないのですか?」「いいですか?小さな質問をしているだけでは、決して大きな答えを得ることはできないのです!」
あなたの弁明とは?
さて、次に、弁解がどれほど自分の限界を狭めるかについてお話していきましょう。
多くの人が、都合をつけるために、体に関する言い訳を好んで使います。
ある晩、親しい友人と、彼の娘の夫について話していました。彼はダラダラした生活のせいで、140キログラムも体重がありました。彼には、面倒を見なければならない筈の奥さんも子供達もいました。しかしながら、当然予想できた心筋梗塞が起こり、糖尿病は進行し、他にも多くの健康問題を抱えている状態です。
彼は、何とも都合の良い弁解を非常にたくさんします。例えば・・・。保険業界でのキャリアアップのために、毎日顧客や外交員と昼食・夕食に出かけ、「女々しい」からといって、ヘルシーなものをきちんと噛んで少量ずつ食べることをしません。すごいスピードでファーストフードをかっ食らいます。彼は巨体ですが、良く働き、食事を楽しむのが当然の事と解釈していたのです。
体に関する言い訳の問題は、「もっともだ」と一見思えてしまうところにあります。
弁解は、限界をより狭めます。富と成功・・・。言い訳をする人は、誰もそれらを手に入れていません。あなたはこの世の全てのものから富を生み出すことができますが、言い訳だけからは、何も生み出せないのです。
昔、私とビジネスを共にして来た仲間が、少ない給料しか払う価値がない人について話していました。
それは、
何故上手くいかないのか、何故出来ないのか、理由を沢山作る者。
現状に留まるための言い訳を考える者。
自身でいつも責任を負い、義務から逃れることを自らに許さないでいることは、確かに簡単なことではないし、そう楽しいことではありません。しかし、人生がたまたまどこかで急に終わることはありません。全ての着地ポイントは、旅の途中でしてきた選択の結果にあるのです。
先日、私の友人と話したある男は言いました。「私はダンの教材をすべて持っているさ。何年も彼についていってね。でもね、僕はただの悪い生徒でしかないんだよ。」
利口にも、その友人はそれ以上理由を聞こうとしませんでした。なぜなら、そこには多くの言い訳しか待っていないのですから。
ダン・ケネディ