USPの作り方


USPって何かっていうと、「unique selling proposition」の略。

こういう時、英語の意味を調べると面白いことがわかる。

Unique= 独自の、他とは異なる
Proposition= 提案
Proposition を調べたら、誘いかける、ナンパする。なんて事も出てきた。

これは、USPを理解するうえで非常に分かりやすい言葉だ。

では、USPとは何だろう?有名なUSPの例を挙げると、

  「 熱々のピザを30 分以内にお届けします。30 分超えたら料金はいただきません。」
                                  BY ドミノピザ

  「 口の中でだけ溶けるチョコレート。手では溶けません」
                        BY M&Mチョコ

なんてのがある。

つまり、USPとは、他の競合とは違う、あなたの商品独自のメリットのオファーである。

そのメリットは他では手に入らない。

あなたの商品でしか手に入らない。

          「この商品はあらゆる点で他社より優れています。」

なんてものはUSPでもなければ、セールスメッセージでもない。

何故このUSPが重要かって言うと、セールスコピーや広告を書くときに中心的な役割を果たすからだ。

セールスコピーを書くときに、僕らはどうしても他の人が書いたやつをマネしたり、いわゆるキャッチ
コピーテンプレートみたいなのを使ってしまう。

これはこれで悪い事ではないんだけど、効果の出るテンプレートみたいなのにばっかり目がいってしまって、肝心要な自分の商品・サービスのUSPを表現することを忘れてしまう。

世界トップクラスのコピーライター、ジョンカールトンの言葉を引用しよう。

“USPを知らなくても、まあまあOKなキャッチコピーは書ける。しかし、それは決してキラー
キャッチコピーではない。自分のUSPを知らなくてもたくさん儲ける事はできる。しかし、あなたが
儲けた1円ごとに、その10 倍のお金を見過ごしているだろう。”


そう。USPとは、セールスコピーを書く時の、カ・ナ・メになるポイントなんだ。

USPを知らなければ、セールスコピーを書くのは大変だ。だって、書く事がないんだから。

USPってのはお客に一体、何を伝えたいのか?という事。

だから、そのUSP が明確であるということは、お客に伝えたいことが明確であるということ。

つまり、セールスコピーに

“書くべきことがある”

という事だ。

ほとんどの、売れない商品は、セールスコピーに書くべきことがない。

書くべきことがないんだから、セールスコピーを書く人は大変な苦労をすることになる。

当然のことだ。

だから、USP があると、セールスコピーはとても簡単に書ける。広告のコピーなんかもとても簡単になる。

例えば、ヤニクのインスタントセールスレターなんかは、とても分かりやすいUSP を持っている。

“セールスレターがインスタントにできる。自分で書かなくてもOK” というわけ。

だから、このインスタントセールスレターのセールスコピーを書くのはとても簡単だし、メルマガ広告
なんかのためのコピーを書くのも簡単だ。


          “売れるセールスコピーが欲しい?何も書かずに?”
          “たったの数分で売れるセールスコピーが完成!”

などなど。

ところで、こないだインスタントセールスレターのお客の声を読んでいたら、「このテンプレートで家が
2件売れた」なんてのがあったから驚き。

これが、普通のセールスコピーの書き方の教材なんかだったりすると、何を書こうか考えてしまうよね。

(ただヤニクの場合は世界トップクラスのWEBコピーライター、インターネットマーケターの教材
だから、そんなに難しくない。これもユニークなポイントの一つ)

USP はとても重要なポイントで、とても見過ごされがちなポイントでもある。

つまり、セールスコピーを書く前に、僕らは自分の商品のUSPを見つけなきゃいけないって事だ。

その作業をほとんどの人はやらないまま、セールスコピーを書く作業に入ってしまう。そして、書けない。

何を書いたらいいか分からないという。

優れたセールスコピーを書くためには、セールスコピーを書く前の段階がとても重要だ。

つまり、セールスコピーを書くための準備。

USPを探す、商品について調査する。

商品に関連するストーリーを探す。

商品に関連する事実を探す。

ターゲットとなるお客の頭の中をのぞく。

ターゲットの悩みを考える。

などなど。。。

話はそれるけど、ほとんどの人は準備にまったく時間をかけずにセールスコピーを書いてしまう。

そして、書いたセールスコピーの手直しとか校正とかに時間をかけてしまう。

それをまったく逆にしたほうが遥かにいいコピーが書けるようになるだろう。

ではUSP のポイントとはなんだろう?

USPのポイント

・ シンプル
・ 覚えやすい
・ 信用できる

そして、USPのポイントはなんと言ってもそのメリット、あなたの商品が持つメリットをたった一つか
二つのメリットまで絞り込むことだ。

こうすることで、お客は、それを覚えやすく信用しやすくなる。

たった一つか二つとは、どういうことかというと、あなたの持っている商品やサービスにはいろいろな
メリットがある。

使い方を変えればメリットも変わるし、見方を変えてもメリットは変わる。

どんな商品でもたくさんの角度から見ることができる。

たとえば、ウチで販売していたテストマーケターというソフトも、WEB サイトのコピーのテストを
できるというメリットを伝えていたけど、それよりも“価格テスト” ができるとか“一番売れる価格が
分かる” とかそういうメッセージにしたほうが、売れたかもしれない。(僕が怠けていたのでその辺は
テストできていないんだけど^^;。。。)

そのメリットを全部伝えようとするとメッセージがぼやけてしまうという事だ。

例えば、さっきのドミノピザでも、M&Mチョコでもそうだけど、どちらもピザが美味しい、チョコが
美味しいなんて事は一言も言っていない。

ハーフ&ハーフができるとか、無農薬野菜を使っているとか、そんな事は一言も言っていない。

ドミノは、“早い” と言うことだけ。

M&Mは“溶けない” と言うことだけ。

それだけに絞っている。

知っていると思うけど、宅配ピザってそこそこ美味しい( と僕は思う)。

M&Mチョコもうまい。

しかし、それには触れていない。

たった一つのメリットだけに絞り込んでいるんだ。

これが、

「熱々で、他店よりも2倍おいしくて、トッピングが200種類以上あって、ハーフ&ハーフが
できるピザを30分以内に届けます。」

こんなメッセージだったら何を言っているか分からない。

そして、その絞り込んだメリットやメッセージは、対象となる見込み客が最も求めているものにあわせ
なければいけない。

つまり、ドミノピザがこのUSPを打ち出した時、宅配ピザは冷めたピザで、美味しくないってのが
定評だった。

M&Mチョコが出るまでは、チョコレートはみんな手に持っていたら溶け出してベタベタしたものだった。

その当時のお客にドミノが“おいしいピザ” というメッセージをいかに上手に伝えようとしても、
お客は「どうせ冷めてるから美味いわけがない」と思ってしまう。

そんなバックグラウンドがあるなかできたUSPだ。

もし、ドミノが“早さ” だけじゃなく、“味” や“トッピングメニューの豊富さ” などにまでUSPを
広げていたらどうなっていただろう?

きっと“早さ” を求めているお客に的確なメッセージが伝わらなかったに違いない。

メッセージがぼやける。

USPを発見しよう。

・あなたの商品にはどんなメリットがある?
・お客のどんな問題を解決する?
・その中で本当にお客が一番困っていることはなんだろう?

USPはいろいろな角度から作ることができる。

例えば、

・価格:競合他社より安いのか?高いのか?高い価格もUSPにすることができる。
・速さ:競合他社よりスピードが速いか?
・クオリティ:商品のクオリティが競合よりも高いか?
・サービス:競合他社ではやっていないサービスを提供しているか?
・場所:メチャメチャ便利な場所にある?
・サポート:他社より優れたサポートを提供している?
・保障:あなたの保障は業界の標準的な保障から飛びぬけているか?
・その他:業界の非常識は何?あなたはそれを解決できる?みんながやっていることは
・何?あなたはその逆ができる?

ただし、USP を考えるときは、商品中心で考えてはいけない。

見込み客中心で考えよう。

見込み客がどんなものを求めているか、どんな事に困っているかを考えて、それを自分の商品が持っているかどうかを探そう。

ないなら作ろう。

例えば、M&Mチョコはとても美味しい。

だから、“チョコの味” を中心にUSPを作ったとしよう。

それはUSP になっているだろうか?

ならない。

何故ならそれはU・ユニークではない。

美味しいチョコなんてくさるほどある。

チョコを買っているお客を見ると、チョコが手で溶けてベタベタになっていた。

それが普通の事だと思っていたので誰も疑問に思わない。

そして、手で溶けないチョコは一つもなかった。

“溶けないチョコ”

これはU・ユニークだったし、お客の欲しかったものだ。

あなたの見込み客は一体どんなものを求めているんだろう?

大昔のダイレクトレスポンスコピーライター、ビクターシュワッブによれば、一般的に人間の求めるものは、

・健康       ・快適さ     ・社交的でありたい
・時間       ・休暇      ・最新の知識を持っている
・お金       ・達成感     ・クリエイティブ
・人気       ・自信      ・他人への影響力
・よりよい外見   ・楽しみ      ・一番でありたい
・老後の安心    ・名声      ・権威と認められたい
・他人からの賞賛  ・いい親でありたい

などなど。

これらをあなたの商品とリンクさせて、USPを考えてみよう。

単純にUSP を文字にするだけでは、ただのユニークな商品になってしまう可能性がある。

重要なポイントは、それをセールスと融合する必要があるということ。

そのためには、このような人間の求める、基本的な欲求にあなたのメッセージを融合する必要がある。

それでこそ、セールス・プロポジッションになるわけだ。

一度USPを見つけてしまえば、セールスコピーの中だけでなく、あらゆる場所で使うことができる。

サイトで使える。
広告で使える。
パフレットで使える。
電話で使える。
印刷物で使える。
名刺にだって使える。
クレドやミッションステートメントに使える。

USPはマーケティングの武器の中でも最高級のものだ。

ところで、ドミノピザはこのUSP のおかげで現在50ヶ国で8000店舗を展開、売り上げは6000億円を超えている。

M&Mチョコを販売している会社は世界65ヶ国で営業して現在2兆円以上の売り上げを誇っている。

ヤニクのインスタントセールスレターは2万人以上の顧客を獲得している。

これらがあなたのビジネスにとって何を意味するだろうか?

from 小川忠洋